私のキライな2文字

それは「解散」です。

私にとって人生そのものだったバンドが解散してから
とにかくこの2文字を見たり聞いたりすると、心が痛くなります。
衆院解散、現地解散・・・何でもイヤビクッとしてしまう。

そのバンド、THE YELLOW MONKEYが解散した時から長い間、
出口の無い迷路というか真っ暗な宇宙をただ漂っているような感覚だった。
後に吉井さんがソロで出したファーストアルバムのタイトルが「at the blackhole」
だったっていうね。お互いかーい!って。
今だにバンド時代の話になると熱くなるし、寂しい気持ちくなっていないけど
もう普通に解散についても語れるし、バンド時代の曲も聴ける。
でもやっぱりTHE YELLOW MONKEYはいないわけで。
この世に存在しないグループで、もう新曲も出ないしライブも無い。

いつからか、やっぱり少しずつ「いない世界」に悲しいかな慣れてくるもので。
各メンバーのソロ活動も始まって、それはそれで忙しくもなり。
もう解散してるのに「バンド結成20周年記念!」とかのちょっとしたネットの
イベントやらベスト盤なんかでメンバー同士のやりとりも見れて
しかも、番組で特集されたり、映画になったりしちゃったりするなんて
そしてメンバーが集まって当時について語ったり、楽しそうにボウリングしちゃったりが
見られるような日が来るとは、ブラックホールを漂っていた頃の自分のどん底から
比べようもないうれしいことで、でもそこはかとなく漂う寂しさもあるんだけど。
でも、傷は癒えるし、どんどん新しい彼らの姿を目にして自分も変わってこれました。

ただずっと、変わらずに音楽シーンに居続けてくれて、ずっと歌い続けてくれている
4人のことを私は今でもとてもとても大好きです。

 

だから、今回の劇団朱雀の解散という話を聞いたときから
また、あの辛さを味わうのか・・・という気持ちと、でも私はもう知っていたから
解散の後も必ず本人たちからまた幸せな時間をもらうことができると。
それを身をもって感じていたから、悲しいけれど信じることができました。

ただ、「もう明日からどうやって生きていけばいいの」
と打ちひしがれている解散初体験の10代20代の若い子がいたら
「大丈夫だよ」と撫でてあげたいくらいに心配になってしまった。

『必ずまたいつかそれぞれが大きくなって帰ってきます』と言った太一くん
彼は簡単にそんな言葉を言う人ではないから、それは皆がよく分かっている

ことだと思うから、これからも成長を続けるメンバーのことを応援していけば、
いつかまた必ず女形も大衆演劇も見る日が来ると信じていいと思う。

それに、事前に解散をきちんと告げていてくれたおかげで、多くの人が悔いなく
舞台を観ることができたと思うし、もちろん私も。それには本当に感謝の気持ちで
いっぱいだし、ここへきての新作舞台だったり新曲だったり、毎日違ったり
たくさんのゲストの方々、貴重なファンクラブイベント。
何より大衆演劇の小屋で
やってくれたこと。
おかげで送り出しや、写真撮影も。

解散を惜しむファンたちへ最大限の活動をしてくれた朱雀に
何度でも「ありがとう」と言いたい。

全身全霊で舞台に立ち続け、最後の最後にも高いジャンプを見せてくれた
二代目早乙女太一。

もちろん板の上にいた全員の全力投球、全力疾走。
最後の最後、いつもは自分で少々乱暴に幕を引く太一くんが耳打ちをして、
座長に幕を引かせたのが印象的だった。

そう、これは「劇団朱雀」の解散だ。
いったんここで幕引きです。

でも人生はまだ続く。いつまでかは誰にも分からないけれど。
バンドだって、解散しても再結成することもある。
大事なのは、生きてるってこと。舞台に立ち続けるってこと。
一線で舞台に立ち続けるのは並大抵のことではない。
解散した時より成長して、格好良くなってなきゃ再結成なんて言えないんだ。
新しいことなんて始められないんだ。かっこ悪い再始動は見たくない!
朱雀が見せてくれたキラキラした世界。教えてくれた新しい世界。
他の劇団の大衆演劇も見たくなったし、ゲスト役者の方やコラボした劇団。
自分が好きになれるかもしれない人やものが、まだまだたくさんあるはず。
ドハマリするものは希少だけど、好きな人やものが多いと人生は楽しい。

けれど、これが無くなったから次はこっち、なんて気持ちにはなれないし
好きにも色々あって、そうそうそれぞれ代わりがきくわけじゃない。
ドハマリする楽しさ、没頭感を味わえることはそうそうない。

劇団朱雀を好きになって良かった。
朱雀の座員じゃないけれど、幾度も同じ舞台に立ってきた仲間の役者たちとの絆が
とてもとても、嬉しいし、肩を並べつつもライバルで。
年が近かったり離れていたりしても関係なく板の上で尊敬し合っているのが
伝わってくるし、そういう姿を見させてもらえることなんてそうそう無いことだし。

もっと早く見ておけば良かった。
ファンのみなさんも本当に優しくて良い人ばかりで、
もっと早く仲良くなれば良かったなぁ。私のような新参者にも優しくしてくれて感謝です。

楽しい時間、没頭させてもらえてシアワセでした。ありがとう。
あの他では味わえない時間を、また味合わせてくれる日を待っています。
朱雀

そして、ちょうどのタイミングで出た吉井さんの久々の新曲。
こんなにピッタリなことになるなんて。
前楽の日は雨だったし、最後のお芝居は「桜吹雪」だったし。
この曲が前より好きになりました。


「クリア」(一部抜粋)

今日は頭クリアだ 花吹雪が静かに舞う
雨が止んだなら歌いましょう

さよならする時が来た 笑顔でまた逢う日まで
お互いこれから長い道のりだけどお元気で
巡る巡る季節はいいことそうでもないこと
川の流れは海に 雪は溶けて芽が出て

常にデカいステージが どんどんと押し寄せるけど
少し冒険もして たまに原点に帰って

今日は頭クリアだ 花吹雪が光に舞う
今日で全部クリアだ 何もかもが眩しくなる
今日でここを卒業だ 君の顔も見れなくなる

愛が終わりのない青空に吸い込まれた

その日までお元気で ずっとずっとお元気で
As time goes by go by go!
As time goes by go by go!